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家族信託とは?認知症対策や相続対策にもなる注目の仕組みを解説

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家族信託とは?認知症対策や相続対策にもなる注目の仕組みを解説

家族信託とは?認知症対策や相続対策にもなる注目の仕組みを解説

2023/09/01

「家族信託」への注目度は高まっていますが、仕組みが複雑で理解が追い付いていないという方も多いかと思います。この家族信託とは一体何なのか、家族信託をするとどうなるのか、具体的な活用方法とともに当記事でわかりやすく解説していきます。

 

家族信託の概要

家族信託とは、民事信託を家族や親族内で行うことを指しています。

 

そして信託の当事者には主に次の3者が登場するところ、受託者が業として行わない場合の信託は広く「民事信託」と呼ばれます。

 

1.委託者:信託財産を受託者に委託する者

2.受託者:信託財産を管理運用する者

3.受益者:信託行為からの利益を受ける者

 

家族信託に法律上の厳密な定義はなく、要は民事信託のことであると認識しておくと良いでしょう。

 

家族信託のメリット

民事信託を家族や親族内で運用する家族信託には「妻や夫、子どもなど、信頼できる者に財産を預けることができる」というメリットがあります。

民事信託は家族以外との間で始めることも可能で、いずれにしろ適切な運用ができればさまざまなメリットを得ることが可能です。

 

認知症対策であったり相続対策であったり、家族信託でなくともこれらの対策を講ずることはできます。

しかし、その効果が発揮する段階では委託者による関与が難しくなっています。認知症対策として始める場合は認知症により委託者の判断能力が衰えていますし、相続対策の場合は委託者がすでに亡くなっています。

 

そこで手放しでも安心できる家族を受託者とすることに意味があるのです。

 

家族信託のデメリット

家族信託を始めることで、場合によっては家族内での不平等を訴える者が出てくる可能性があります。受託者が契約内容に従い適切に財産の運用をしていたとしても、「財産を自分の都合の良いように使っているのではないか」などと言いがかりをつけられるリスクがあります。

 

また、財産管理等に専門知識を要する場合、無理に家族内から受託者を選ぶことで効果的な資産運用ができなくなるおそれもあります。人として信頼ができる場合でも、信託の目的を果たすだけの能力が受託者に備わっていなければなりません。

 

単に預貯金の口座を管理するだけならまだしも、不動産や株式などの運用を任せるのであれば受託者の選定にも留意すべきです。

 

家族信託の活用方法

家族信託についてのイメージが掴めるよう、具体的な活用方法を以下で紹介していきます。ここでは「認知症対策」「二次相続対策」「子どもの生活費対策」「事業承継対策」を取り上げます。

 

認知症対策

自らの判断能力が低下したときの備えとして家族信託を始めるケースがあります。

 

特に高齢である場合は認知症により判断能力が低下するリスクが高いです。認知症になり、信託契約を締結するのに必要な判断能力がなくなってからでは家族信託を始めることはできないため、あらかじめ契約を交わしておくのです。

 

信託財産として自らの財産を預けておけば、後々認知症を患ったとしても生活費の支出などに困る事態を避けやすくなります。

 

二次相続対策

委託者が財産の承継先を長期的に指定するため、家族信託を利用するケースもあります。

 

契約を交わすまでもなく、相続により財産は次の世代へと引き継がれていくのですが、承継先を指定できるのは自身が亡くなったときの相続に限られます。例えば思い入れのある不動産があり、当該物件を子どもAに引き継がせたいと考えるのであれば、遺言書を使って指定することができます。
ただ、遺言書で「Aが亡くなった後は、孫Bに引き継がせる」といった記載をしても、拘束力は生じません。その遺言内容に従わず遺産分割をしても法的に問題ありません。

※親に関する相続を起点とした場合、その子どもがさらに亡くなったときの相続は「二次相続」と呼ぶことができる。

 

一方、信託契約としてその旨のルールを設けておけば、世代を超えた財産の承継を指定することができます。二次相続対策として「私が亡くなった後はAに、Aが亡くなった後はBに引き継がせる」と定めることが可能です。

 

子どもの生活費対策

子どもの将来を不安視して家族信託を始めるケースもあります。

 

自らの死後、自己の財産は子どもが相続することができます。
しかし、その財産を子どもが適切に扱うことができなければ生活ができません。そこで幼い子ども、障害のある子どもがいる場合、財産管理を任せられる別の人物を受託者に、受益者を子どもに設定して子どもの生活費対策とすることができます。

 

事業承継対策

家族信託を使って円滑な事業承継を図ることもできます。

 

例えば株式会社において自社株式を信託財産とし、経営者を委託者兼受益者にします。後継者を受託者にしておけば、現経営者が判断能力を失ってしまっても株式に基づく権利は受託者が継続して行使することができます。

 

また、受益者を現経営者としておくことで、配当などの利益は継続して受けることが可能です。

 

他の制度の活用も併せて検討

家族信託の仕組みを上手く活用すれば、様々な問題を解決することができます。しかし家族信託が常に最善の選択であるとは限りません。

 

成年後見制度の利用、遺言書の利用も視野に入れ、最適な手段を検討しましょう。1つの手段に固執せず、必要に応じて併用することも考えると良いでしょう。ただしその検討を進めるためには法定制度について幅広い知識を持っていなければなりません。各制度のメリット・デメリット、手続についても理解している専門家にまずは相談を持ち掛けてみましょう。

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