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遺産分割前に相続人の調査が必要!相続人調査とは何か、調査方法についても解説

遺産分割前に相続人の調査が必要!相続人調査とは何か、調査方法についても解説

2023/06/19

ある方が亡くなったとき、その方の配偶者や子どもなどの相続人は遺産を受け取ることができます。遺産の分割方法については、相続人が協議により決めなくてはなりません。
しかしこの協議の開催は、“相続人の調査”を行っていることを前提とします。

なぜ調査が必要なのか、どうやって調査を行うのか、当記事で解説します。

相続人の調査とは

「相続人の調査」とは、「誰が相続人になるのかを確定させる作業」と説明できます。

例えば、民法では配偶者を「常に相続人になれる者」と定めています。配偶者を探し、その人物が配偶者であることを客観的にも示せるようにする作業は相続人の調査にあたります。

多くの場合、わざわざ大それた調査などしなくても配偶者は明らかです。
しかし配偶者を自称する人物が出てきたとき、外部の人から見てどちらが本当の配偶者なのかがわかりません。また、相続人になれる人物は他に被相続人の「子ども」「直系尊属(母親や父親など)」「兄弟姉妹」もいます。
隠し子が存在している可能性もありますし、想定外の人物が出てくることがありますので相続人の調査は欠かすことができないのです。

遺産分割協議など、相続手続を進める前に、まずは相続人を確定させる作業が必要です。

相続人の調査をする必要性

相続人の調査を行わず、相続人全員が参加しないまま行われた遺産分割協議は、無効になります。
遺産分割協議は相続人全員の同意を持って終結しないといけません。

また、相続税の計算にも影響が及びます。

相続人調査を省略することには、再度遺産分割協議を開催するなど、後々大変な面倒が発生するリスクがあります。そのため早期に対応する必要があるのです。

相続人調査の方法

相続人調査の基本は「被相続人の戸籍集め」です。

戸籍の情報を読み取ることで、誰が相続人なのかを確定させられます。

なお、戸籍には下表の通りさまざまな種類があります。被相続人に関する戸籍を1部取得して終わり、とはいきません。多数の戸籍を集めていくことになります。

戸籍の種類 説明
戸籍謄本 氏名、生年月日、父母の氏名、出生地などの情報が記載される。戸籍に記載のある全員の事項を写したもののうちコンピュータ化したものは「戸籍全部事項証明書」と呼ばれる。
戸籍抄本 全員の情報が写された戸籍謄本とは異なり、戸籍に記載されている特定の人物のみ情報を写したもの。
除籍謄本 戸籍に入っている人全員がいなくなった戸籍の写し。その戸籍から誰もいなくなったことを示す。
改製原戸籍謄本 再編成等により戸籍が作り替えられたときにおける、前の戸籍。除籍を理由としないものの、使われなくなった戸籍を指す。
戸籍の附票 住所の移転履歴が記録された書類。新しく戸籍を作ったとき以降の住民票の移り変わりが記録される。

ポイントは「被相続人の出生~死亡までのすべての戸籍情報を集めること」です。
被相続人が死亡したときの戸籍謄本または除籍謄本を取得し、そこに記載されている情報から、1つずつ出生まで遡って戸籍を集めていく作業を繰り返します。

被相続人の戸籍謄本(死亡記載)を取得する

まずは、被相続人の死亡が記載された戸籍謄本を取得しましょう。被相続人の本籍地の役所で取得ができます。本籍地については、被相続人の住民票から調べることができます。

取得の手続に手数料も必要ですが、いずれの書類も1通あたり数百円程度です。

被相続人の出生まで遡って繰り返し取得していく

取得した戸籍謄本で生まれたときの戸籍までたどることができれば完了となりますが、出出生までたどることができないときは、1つ前の戸籍謄本を請求する必要があります。

戸籍に「改製」の記載があるときは、「改製原戸籍謄本」を本籍地に請求します。
戸籍に「婚姻」や「離婚」の記載があるときは、婚姻または離婚前の本籍地に戸籍謄本を請求します。
戸籍に「転籍」の記載があるときは、転籍前の本籍地に「除籍謄本」を請求します。

この作業を繰り返して、被相続人の出生までたどっていきます。

相続人の生存を確認する

前項までに集めた戸籍の内容をチェックすれば、法定相続人が調べられます。すべてに目を通して、認識できていない相続人がいないかどうかを調査します。

特に着目すべきは、「前配偶者の存在」「認知の記載」「知らない子どもの存在」です。子どもは法律上、第1順位の法定相続人であり、配偶者以外の人物より優先的に相続人になることができるからです。

一方で、亡くなった方に子どもがいないことが判明すれば、第2順位の法定相続人の存在を調べることになります。第2順位は被相続人の直系尊属です。まずは両親、次いで祖父母の順に相続人になることができます。

第2順位の人物もいないときは、第3順位である被相続人の兄弟姉妹に順番が回ってきます。戸籍から兄弟姉妹を調査しましょう。

亡くなっている相続人の戸籍も取得していく

法定相続人になるはずの人物が現在生きていない可能性もあります。その亡くなっている方が、被相続人の子ども、または兄弟姉妹である場合、代襲相続が起こることがあります。

そのため亡くなっている相続人についても戸籍情報を集めていかなくてはなりません。調査対象が広がり、相続人の人数が増えることもあります。

なお、代襲相続人になる孫も亡くなっていると、再代襲によりひ孫が相続人になることもあります。
一方で甥や姪が代襲相続人になるときは、再代襲は起こりません。

相続関係説明図を作成する

必要な書類がすべて集まり、相続人を調べることができれば、相続関係説明図を作成して情報を整理していきましょう。

相続関係説明図を作成しておくことで、「誰が相続人であるのか」ということを客観的に示しやすくなります。その結果、金融機関や法務局、税務署などで行う各種手続もスムーズになります。

相続人の調査は専門家に任せることができる

相続人の調査は、亡くなった方の家族や相続人などに義務付けられるものではありません。誰が調査しても良いのですが、推奨されるのは司法書士などの専門家への依頼です。

戸籍集めの作業やその読み取り、相続人の確定作業は、法律の知識がなければ難しいです。特に代襲相続が起こるケースでは作業量が大幅に増え、チェック漏れなども起こりやすくなります。
この点、相続問題に強い専門家を利用すれば、ミスが生じるリスクを抑えつつ、効率的に調査を進められます。

また、遺産分割協議に関するアドバイスや遺産分割協議書の作成、相続した財産の名義変更手続なども依頼することができます。少しでも不安がある場合は、気軽に相談を持ち掛けてみましょう。

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